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Sincerely

第7章 8月の長い夜

彼の一途な想いにほだされたのかもしれない。でも、今のわたしには拒む気持ちなんてなくて。

だから、この先何が起こるか分かっていても。
部屋へ───通したんだ。



「ユミコ……ユミコ…」
呪文のようにわたしの名を呼ぶマサヨシ。その間にも、唇で、舌で、わたしの身体のあちこちに熱を植えつけていく。
気づいたら、お互いにほぼ生まれたままの姿だった。


身体が。
心が。
彼を作る全ての要素が、

今この瞬間、
わたしを求めてくれている───

その事が、ただ嬉しくて。
わたしも彼の何もかもを望んだ。


わたしの太腿に触れる、彼の熱の塊。
触れた指先から伝わる熱さに少したじろいだけど、わたしの望みの強さを伝えたくて、

唇で、指で───愛した。


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