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Sincerely

第8章 晩夏(なつ)の夜の悪夢(ゆめ)

ヒロヤと繋がったのは、初めてのあの時と、5月のホテルの時の2回。
2回とも、わたしの事をリードしてくれた。
大人の余裕ってこんな感じなのかな───と後で思ったくらい。
でも、今日の彼はそんなものを全てかなぐり捨てたようだった。
冷たい指がわたしの中をかき乱して行く………

「ひぃあぁああっ!」
…嘘でしょ。
手を縛られて、身体の自由も奪われて。
ヒロヤに無理やりされかけてるのに。


なんで、気持ちいいの?
声が───出るの?
わたしの身体、おかしくなっちゃったの?


「ねえ、ユミ。
 あいつには、どんな風にされたの?」
冷たい指で熱の源をかき回しながら、時折熱の近くの突起を弾きながら。
ヒロヤがわたしを見据えて尋ねる。
───言えない。
言いたくない。
恐怖と快感にさいなまれて、泣きたくないのに涙があふれる。
あの日、マサヨシと繋がった夜の事は誰にも言いたくない。
あの時の気持ちを上書きされそうで───…

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