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Sincerely

第10章 世界で一番、遠い場所 前編

見つめ合って、微笑んで。
わたし達はそっと唇を重ねた───

触れ合うだけのキスはいつしか深くなり、辺りにはお湯の波立つ音だけじゃなくて、舌を絡ませる音も響いていた。


キスってやっぱり、気持ちいい。
好きな人とするから、尚更なのかもしれない。
温泉の温もりと違う熱にわたしの身体が包まれていく───

───熱い。
温泉のお湯の熱さだけじゃない。
身体の中が…熱い。
息をするのも苦しいくらい……熱く…て───



───そこで、わたしの意識が途切れた。

マサヨシの腕の中で。
深いキスを交わしながら………

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