Sincerely
第10章 世界で一番、遠い場所 前編
「…ミコ、ユミコ!?」
遠くから響くマサヨシの心配そうな声。
そうっと目を開けると、声以上に心配を顔に出したマサヨシと目が合う。
「良かっ…た───!」
「ごめんなさい…のぼせちゃった、みたい」
ゆっくり身体を起こすと、ギュッと抱きしめられる。
二人の身体を隔てているのは、タオル一枚だけ。改めて羞恥が蘇ってきて、全身が熱くなる。
周りを見回すと、部屋に戻っている事が分かった。
「あの…ここまで、どう……やって?」
「抱えて。必死だったし」
「重かったでしょ…?」
黙って微笑って首を横に振るマサヨシ。
「準備運動と思えば」
一瞬、彼の瞳がキラリと輝いた───と思った途端、束ねていた髪を解かれてベッドに押し倒された。
耳に、首筋に、鎖骨に。
マサヨシの熱い唇が降るように触れる。
わたしの唇からは吐息混じりの声しか出なくて───、同時に身体の奥に一旦閉じこめられた熱が出口を求めて流れ出すのを感じていた。
遠くから響くマサヨシの心配そうな声。
そうっと目を開けると、声以上に心配を顔に出したマサヨシと目が合う。
「良かっ…た───!」
「ごめんなさい…のぼせちゃった、みたい」
ゆっくり身体を起こすと、ギュッと抱きしめられる。
二人の身体を隔てているのは、タオル一枚だけ。改めて羞恥が蘇ってきて、全身が熱くなる。
周りを見回すと、部屋に戻っている事が分かった。
「あの…ここまで、どう……やって?」
「抱えて。必死だったし」
「重かったでしょ…?」
黙って微笑って首を横に振るマサヨシ。
「準備運動と思えば」
一瞬、彼の瞳がキラリと輝いた───と思った途端、束ねていた髪を解かれてベッドに押し倒された。
耳に、首筋に、鎖骨に。
マサヨシの熱い唇が降るように触れる。
わたしの唇からは吐息混じりの声しか出なくて───、同時に身体の奥に一旦閉じこめられた熱が出口を求めて流れ出すのを感じていた。