BL短編
第5章 罠に掛かるは甲か乙か
「歩き煙草は止めろよ?」
ライターを取り出そうとした時に言われ、仕方なく俺は煙草を戻した。
道中、会話らしい会話もなく居心地は最悪だった。
「こっち。」
路地に入ると1ヶ所だけ気持ち程度のネオンに照らされている。
「ここ。」
あまり客が入っていない、一人酒するようなバー。
カランカランと入店のベルが鳴り、暗いながらも落ち着いた雰囲気のカウンターに腰掛けた。
「ウオッカ、ストレートでオススメのやつを。あと灰皿貰えますか?すいません。」
なんかもう、今日は飲みたい。
山下はメニューを見ながら聞いたことはあるな。ぐらいの長い名前の何かを頼んでいた。
30分くらいは本当にお互い何も話さず、注文する時でしか声を発しなかった。
気づけば灰皿は底があまり見えないくらい、煙草の吸殻で覆われて。
「...いつから煙草吸い始めた?」
「いつからだろうな、忘れた。」
お前からの連絡が月に1回あるかないかくらいまで減った頃だよ。とはなんだか悔しくて思い出したら泣きそうで。とても言えなかった。
ライターを取り出そうとした時に言われ、仕方なく俺は煙草を戻した。
道中、会話らしい会話もなく居心地は最悪だった。
「こっち。」
路地に入ると1ヶ所だけ気持ち程度のネオンに照らされている。
「ここ。」
あまり客が入っていない、一人酒するようなバー。
カランカランと入店のベルが鳴り、暗いながらも落ち着いた雰囲気のカウンターに腰掛けた。
「ウオッカ、ストレートでオススメのやつを。あと灰皿貰えますか?すいません。」
なんかもう、今日は飲みたい。
山下はメニューを見ながら聞いたことはあるな。ぐらいの長い名前の何かを頼んでいた。
30分くらいは本当にお互い何も話さず、注文する時でしか声を発しなかった。
気づけば灰皿は底があまり見えないくらい、煙草の吸殻で覆われて。
「...いつから煙草吸い始めた?」
「いつからだろうな、忘れた。」
お前からの連絡が月に1回あるかないかくらいまで減った頃だよ。とはなんだか悔しくて思い出したら泣きそうで。とても言えなかった。