
来世にて
第4章 前世 初恋
楓は心を弾ませながら、碁盤を用意していた。こんなに楽しいのは久方ぶりだと、光秀の来訪を今や遅しと待っていた。
夕刻 光秀は約束どおりやって来た。
「用意は済んでおるな。」
にこやかに微笑み、楓の部屋にやって来た光秀は、物腰が柔らかで公家のように美しい立ち居振舞いだ。
楓は頬を赤らめ碁盤に目を落とす。まだあどけなさが残る楓のしぐさを光秀はほほえましく見ていた。
「さてさて、楓がいかほどに強うなったか、お手前拝見させてもらおうぞ。」
少し意地悪な笑顔を向け、碁盤に向かう。
「先手は楓で良いかの?」
「私は後手でさせていただきとう御座ります。光秀殿お先にさされよ。」
「ふむ、後手とな。ではお先に。」
パチリ、パチリと碁盤に石を打つ音が静かに響く。
夕刻 光秀は約束どおりやって来た。
「用意は済んでおるな。」
にこやかに微笑み、楓の部屋にやって来た光秀は、物腰が柔らかで公家のように美しい立ち居振舞いだ。
楓は頬を赤らめ碁盤に目を落とす。まだあどけなさが残る楓のしぐさを光秀はほほえましく見ていた。
「さてさて、楓がいかほどに強うなったか、お手前拝見させてもらおうぞ。」
少し意地悪な笑顔を向け、碁盤に向かう。
「先手は楓で良いかの?」
「私は後手でさせていただきとう御座ります。光秀殿お先にさされよ。」
「ふむ、後手とな。ではお先に。」
パチリ、パチリと碁盤に石を打つ音が静かに響く。
