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白姫と炎帝の恋

第3章 恋愛結婚



「そうだ。お前は煌のために尽くしたがる女だ。尚且つ、武術にも秀で、聡明で、煌に尽くすのに足る存在だ。それにお前は今や私の義娘といえど、前皇帝の娘。当然家柄については申し分ない。気持ち、実力、家柄……紅炎に嫁ぐのにぴったりと条件があっているではないか。」

はははっ

と紅徳は笑う。

しかし、白瑛はわけがわからなかった。

(私が……紅炎殿と?!そんな、恐れ多い……紅炎殿のほうだって、私などと婚姻を結ぶのは嫌に決まっているでしょう…)

「ち、義父上、そのことこそどうぞご再考を………私などが紅炎殿と…紅炎殿のお気持ちも大事になされては…」

思ったことをそのまま口に出す。

思ったことも、なにも、白瑛はそれが真実だと心の底から信じ切っていた。

だからこそ、また部屋が爆笑の渦に包まれた時は、本当に焦ってしまったのだ。

「お前はひとつ思い違いをしている。紅炎に直接聞け。私はこれ以上は語らんぞ。」

笑いをかみ殺しながら、紅徳は去ってゆく。

兄上の愛娘は大分鈍感だと、紅徳思った。

そして、それでも彼女を愛してしまう自分の息子・紅炎を、少し哀れに思った、紅徳であった。

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