
白姫と炎帝の恋
第4章 愛しい少女
昔から白瑛のことが好きだった。
無論、幼いからでは無い。
容姿が美しいからでも無い。
紅炎は、ただひたすらに白瑛が好きだった。
それが恋だと初めて口にしたのは、まだ白瑛の兄達………自分の親友でもあった、白雄や白蓮も生きていて、自分がまだ、皇太弟の長男でしかなかった時のことだ。
紅炎は、第二皇子白蓮と二人、廊下を歩いていた。
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「なぁ、紅炎、お前今、好きな子とか、いないのか?」
紅炎はドキリとした。
(いや、ここははぐらかすべきか?でも、親友に嘘はつきたく無いな…誰か、バレなければ大丈夫だよな…?)
そのときの紅炎は、愛しい少女も、その兄である人達も、彼女の大切な弟も、そして自分自身のことも、傷つけたくなかった。
