
白姫と炎帝の恋
第4章 愛しい少女
だから、こう答えたのだ。
「まぁ、想い人のひとりやふたり、いないと言うわけでもないが。……好き、という程たいそうなものではないさ。」
うまくいえた、と思った。
まさか白蓮が、紅炎が白瑛のことを好きだということを最初から知っていたとは考えもしなかったからだ。
ぼかっ!
「っ、痛い!何をしてくれるんだ白蓮!!」
「お前なぁ、好きという程でもない、だと……?よくそんな口を聞けたな?白瑛のこと、本気で好きじゃなきゃ、身を引いてほしいんだけど?」
(怖!白蓮様、怖!)
…………………思わず様付けしてしまうほど怖かった。
白蓮は、生粋のシスコン。
要するに、白瑛大好きなのである。
