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あさちゃん

第2章 二人

あずさ「ゆーちゃんさぁ、アンタいつもボケッとしてるけど、今日は一段と酷くない?何か学校であったでしょ?」

優のボーッとした顔を何時から観察していたのだろうか、不意にあずさがそんなことを言ってきた。

普段は優をいじったりオモチャにして遊ぶあずさだが、家族の中では一番の洞察力がある。特に優に対しては敏感。
優が中一の時、エロ本を友達から貰って帰ってきた時はそれを見抜くなり、いきなり部屋に入り込んで、隠してあるエロ本を一発で探し出すということをしてみせた。

そんなことがあってか、優はあずさには隠し事が出来なくなっていた。隠し事をすると、力づくで解決?しようとするから、無駄な抵抗だと諦めていた。

優「…ん〜、そのー…」

美里「はっきりしなさいよ!」

美里もあずさに乗じて、優に詰め寄る。優はあさみのことを話すといじられたり、茶化されたりするとは思っていたが、もやもやした感じを振り払う為にも、ここは一つ姉たちに聞いてみることにした。

優は今日のあさみとのやりとりを二人に話した。そして、こういう場合、女子はどんなことを考えているのかということを聞いた。

あずさと美里はそれぞれ答える。

あずさ「それは、その娘がゆーちゃんに興味があるってことでしょ。話してみて、自分にあう感じなら、友達になりたいとか思うのは当然でしょ」

美里「そうかな?アタシが思うのは、アンタをからかう為のきっかけ作りでしょ。ホラ、アンタボケッとした顔してるから、バカにしやすいでしょう?」

あずさ「でも美里、アンタの一番最初の男に話しかけた時も、最初こんな感じだったでしょう?」

美里「何言ってんの、お姉ちゃん。あれはスポーツバカだけど、ちょっと顔が良かったから、遊んでやっただけ。ヤることヤったらつまんない男だったし、もうあんなのイヤよ。お姉ちゃんの最初の彼氏の時なんて、お姉ちゃんが一目惚れして、何にも話しかけずにいきなり告って、付き合ったじゃない」

あずさ「あれは若かったからねぇ〜。結局付き合ってみると、他の男よりも全然駄目。やっぱ意思の疎通っていうの?そういうの大事でしょ。セックスだって、こっちも初めてで緊張しながら誘ったのに、手を出さず仕舞い。あんな器の小さい男なんて、こっちから断るわよ」

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