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あさちゃん

第12章 夕立

あさみ「山口くん。一緒に帰ろ?」

優「あ、大橋さん。良いけど…今日、傘持ってきてた?」

あさみ「うん。折り畳み傘が鞄の中に…って…あれ?」

優「どうかした?」

あさみ「あれ〜、傘忘れてきたみたい…」

優「ありゃ〜…じゃあさぁ、ウチに寄ってく?傘貸すよ」

あさみ「え?本当!ありがとう!」

優「うっし!じゃあ、それまで俺の傘貸すよ」

あさみ「え?それは悪いよー」

優「良いって。どうせ距離的には近いし。それに、家に帰れば、着替えればいいしね」

あさみ「だーめ。風邪引いたら大変だよ」

優「う〜ん…」

あさみ「取り敢えず下駄箱行こ?」

あさみに促され、優は一緒に下駄箱に行った。

薄暗い下駄箱・玄関前は誰一人として生徒は居なかった。そこであさみが提案してくる。

あさみ「あ、あのね…優くん…優くんの傘に入れて貰えないかな?」

人が居ないのを見計らって、あさみは相合い傘をお願いしてきた。

本来なら、恥ずかしがって拒否する優。もしくは、あさみに傘を貸し、自分はダッシュで帰宅するところだ。

しかし、ここ最近の姉二人の教育が良いのか、優はその提案を受け入れた。

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