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あさちゃん

第14章 夏祭り(前編)

あさみに手を引かれて連れられて来たのは、中心部から少し離れた場所だった。

この辺りはマンションやアパートが建ち並ぶ地域で、近くには小学校もある。

その中にある一つのマンションへ、あさみが入っていく。優も後からついていく。

優『大丈夫なんかな?ここ普通のマンションだぞ?』

エントランスまで来ると、あさみが鍵を取り出し、オートロック式の自動ドアを開ける。

あさみ「優くん、おいで」

手招きするあさみに、優はおずおずとついていく。優は少し不安になりながらも、あさみと共にエレベーターに乗り最上階へ行った。

あさみはなにくわぬ顔で最上階のある一室の前まで来ると、先程の鍵でドアを開け、優を招き入れる。

優「お…お邪魔します…」

普通と違う雰囲気に、優は緊張していた。

優「あ、あさちゃん…ここって…」

あさみ「ここ、ちょっとした別荘w」

優「別荘?」

あさみ「パパが自由に使って良いって。まぁ、ほとんど使わないんだけど」

優「すげぇ…あさちゃん家って、めっちゃ金持ち…」

あさみ「えっへんw」

あさみはおどけた感じで胸を張り、優の緊張を解そうとする。

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