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あさちゃん

第3章 遭遇

翌日も、またその翌日も優はあさみに声をかけられなかった。なかなか機会もなく、その週はあさみを誘うことはできなかった。

次の週もなかなか機会がなかった。

水曜日の放課後。今日も姉達の理不尽ないじめを受けるのだろうと思い、落ち込んでいると…

あさみ「山口くん…」

あさみが声をかけてきた。優は平然を装おうとしたが、突然のことに思わずビクッとなった。

優「どうかした?」

あさみ「それはあたしの台詞。最近、ちょっと落ち込んでるみたいだし。しかも、あたしをじっと見てない?」

優は内心『あ、やべっ。気持ち悪がられたかな?』と思った。しかし、

あさみ「何か悩み事が有るんなら…あたしで良ければ、相談にのるよ?」

このあさみの一言で、優は安心した。幸い周りには人もあまりいなかったので、姉達の誘いの件を話し始めた。

優「あの…大橋さん。今度の休みの日って、何か予定とかある?」

あさみ「え?何かあるの?」

優「ウチの姉ちゃん達が、この前撮ったクラスの集合写真見て(ココはウソ)、大橋さんの肌が綺麗って話してね。大橋さんのことを色々聞かれたんだ。そしたら、今度の休みに色々お肌の手入れやら、聞いてみたいって話になって…その替わりじゃないんだけど、昼飯一緒に食べたいとか、買い物に行かないかって言ってるんだ」

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