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あさちゃん

第16章 夏祭り(後編)

面倒な『指導』を目の当たりにした優は、それ以降は競輪場に通わなくなった。

敢えて火中の栗を拾う様な真似はしない。優が一年生の終わりに感じたことだった。

今、目の前には、自分に『忠告』しにきた知らない女性がいる。この女性が次に何を言い出すのか…それだけが気になっていた。

玲於奈「まぁまぁ…そう怖い顔しないで。何もキミのカワイイ彼女に手を出そうなんて思ってないから」

玲於奈の一言に、優は安心した。

玲於奈「キミが誰にもこのことを言わないって条件付きだけどねw」

優「もしも…喋ったら…」

玲於奈「さぁ?彼女も一緒に仲良く『何か』あるんじゃない?」

優「…」

玲於奈「ほらほら…顔が怖いよ〜?笑顔笑顔w」

相変わらず強張った表情の優に、玲於奈は続けた。

玲於奈「取り敢えず、今日のコトは二人だけの秘密ね?誰にも言っちゃダメよ?」

優の口にそっと人差し指を当てると、玲於奈は立ち上がり、その場を去っていった。

あまりのことに、しばらく優は動けなかった。そして色々と考えを巡らせていた。

優『何であさちゃんのこと知ってんだ?っていうか、昨日のあの人混みの中…何で俺達を…』

優は三人が来るまでの間、しばらく悩んでいた。

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