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あさちゃん

第7章 返答

色んなことを話しているうちに、二人はお互いの家とは全くの別方向の場所に来ていた。
この辺りは一応、優達の中学校の校区内なのだが、数十メートル先にある道路を渡れば、隣の中学校の校区になる。

さすがに歩き疲れた二人は、近くの住宅地にひっそりとあった小さな公園のベンチに座った。

あさみは疲れた素振りなど見せず、笑顔で優に寄り添っている。そんなあさみの姿に意を決して、優はあさみの方に向き直る。

あさみ「優くん?どうかした?

優「あさちゃん…あの…ね…」

あさみ「うん…」

優「昨日、あさちゃんからの好きって言葉とキスの答えを…ちゃんと、自分の意思で…言葉で言うね」

あさみ「うん…」

優「あさちゃん…もっと一緒に居たいです。もっと近くに居たいです。もっと色々話したいです。もっとあさちゃんのことを知りたいです」

優「好きです。俺と…一緒に居てください」

言った。言ったよ。言ったった。あさみに、自分の心に感じていることの全てを言った。嘘偽り無く、本音を…

その一連の優の『答え』を聞いたあさみは、ただただ頷き、優の目だけをずっと見つめていた。

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