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あさちゃん

第9章 思惑

あずさが一人で考え込んでいると、目の前に誰かが座った。

ふと見ると、同じゼミの秋本玲於奈(あきもとれおな)だった。

玲於奈はあずさと同じく、背が高く、スタイルの良い女性。顔もなかなかの方だった。

ゼミの中では、あずさと玲於奈は男の心を鷲掴み。勿論、大学の中でも同じ。

しかし、二人は仲が悪い。

仲が悪いというと語弊があるが、ライバル心という様なものがあった。しかも、玲於奈は何かにつけて、あずさに絡んでくる。

あずさ「何?」

玲於奈「何ってことは無いでしょ?あたしがここに座って何か問題あるの?」

あずさ「問題大アリ。今日は貴女に構ってられるほど、機嫌良くないんだけど」

玲於奈「あ、そう。その機嫌の悪さは、その写真の男が原因か〜」

あずさはしまったと思った。
昼食の時間帯が過ぎ、人が少なくなった食堂で、少し油断して優との写真を見ていた。

しかし、そこは冷静なあずさ。茶化す様に話す玲於奈に向かって、

あずさ「だったら何か貴女に問題が?」

と返す。

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