無口な彼
第1章 よくわからない
「んっ!、、っ!?」
グイッと引き寄せられたかと思えば、俺の唇には暖かくて柔らかい感触。
激しく角度を変えられ、これがキスだと気づくのにはそう時間はかからなかった。
「ちょっ!ンンっ、、しのはっ、」
言葉を発しようと口を開けば、すかさず舌を入れられ、口内を犯される。
苦しくて篠原の肩を押せば、もっと強く引き寄せられてしまった。力が強すぎて、かないっこない。
俺に力があったとしても、頭の後ろに回された手がしっかりと俺を引き寄せていて、
逃げることはまず不可能だけれど。
「ふっ、、、あっ、、んん!」
クチュりと嫌らしい音が教室に響き、俺の唇がやっと解放された。
「はぁ、、はぁ、、」
激しく息を吸い込む。足りなかった酸素が体に染み渡ると同時に、力が抜けていくのを感じた。
ガクンと篠原の体に倒れ込む。
篠原は男らしい腕でしっかりと俺を支えた。