華姫と鮮血の恋
第1章 鮮血
紅覇の指が柔らかい胸に触れると、華衣はまたピクリと体をはねさせた。
もう紅覇には理性などなかった。
しかし、たった今目の前にいる少女が、微かに震えていることに気づく。
(…………!!)
はっ、と紅覇は我にかえる。
(僕、なにしちゃってんの?華衣に、こんな、こと)
「……っ、紅覇、さま?」
ふっ、と、熱の冷め切らない瞳で紅覇を見つめる。
「…ごめん。もう、しないから。」
「……?っ、はい。」
「だからお願い、僕のこと、怖がんないで。」
今にも泣き出してしまいそうな顔で紅覇は告げる。
怖がらないで。
その言葉に、華衣は自分の身体が震えていることに気づく。