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華姫と鮮血の恋

第1章 鮮血

「紅覇、さま?なぜそんな、私みたいな貴族の娘に優しくしてくださるの?紅覇様はれっきとした皇族で、私はただの貴族ですのに、なぜ、そんな………」

紅覇の申し出と笑顔に、華衣は率直な疑問を覚えた。

(血を見るのがお好きときく紅覇様。それがまさか、こんなお方だなんて)

「ん~?僕はぁ、仕事で女を抱くのがめんどくさいだけー。僕、お風呂だってゆっくり入ってきたんだよ?また入るなんて嫌~」

紅覇はめんどくさそうに答える。

(華衣、ねぇ。すぐに僕のこと、好きにならせてあげるから。待ってて?)

「華衣っ♪早くお布団入ろ~?眠れないんだったら、お喋りの相手になってやってもいいよォ?」

にこにこと、紅覇は余裕そうな笑みを浮かべる。

………本当は緊張しているにも関わらず。

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