華姫と鮮血の恋
第1章 鮮血
「よろしいの、でしょうか?私、などが、紅覇様の、寝台に?」
震える声で、華衣は尋ねる。
潤んだ瞳は、紅覇から目をそらそうとしなかった。
(その目で僕のこと見るな…)
紅覇は切実なため息を吐く。
しかし、押し殺したそれに華衣は気づくはずもなく。
(てか、この状況で抱かないとか、無理でしょ?僕だって一応男だからね?そこんとこ、華衣はわかってんのかなぁ?)
「ま、いいや。はやくいこっ!僕なんかゴロゴロしていたい気分。」
紅覇は、華衣の手をとって寝台へといざなう。
華衣は、握りしめられた手に顔を赤くさせた。
そんな些細な行動でさえ、的確に紅覇のツボをおさえて、紅覇は切ないため息をはく。
(これ以上可愛いことされたら、僕だってもう我慢できない。)