テキストサイズ

無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第1章 《序章》

 狂ったように舞う花びらの雪を頭から浴びながら、幼い二人はしばし見つめ合う。
 いや、それは見つめ合うというよりは、にらみ合うと言った方がふさわしかったろう。
 白い小さな花びらが少女の肩に、髪に降り積もる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ