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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第3章 弐の巻

―いや、私に触らないで。
 こんな男に触れられたくないのに。
 公子は次第に強くなる下腹部の痛みに耐えながら、肩に置かれた帝の手を振り払おうとする。しかし、突然、意識がプツリと途切れた。
 吸い込まれてゆく。暗い、暗い底なしの闇へと公子の意識は吸い込まれてゆく。
 公子は痛みと混乱の中で、ついに意識を手放した。

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