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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

 参の巻

 その日から、公子の身柄はそのまま内裏に留め置かれた。公子に与えられた部屋は後宮の一角、凝花舎にあった。ここは淑景舎の〝桐壺〟に対し、〝梅壺〟と呼ばれる。いずれもその御殿の前の庭に桐の樹や梅の樹が植えられていることから来ている。

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