テキストサイズ

無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

 夢の中で咲き誇る花を眺めながら、雪のように降る花びらを浴びながら、公子は泣いていた。
 泣きながら眠る公子の頬には幾筋もの涙の跡がある。
 屋敷の庭の雪柳は今頃はもう、殆ど花を落としているのだろう―。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ