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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

 けれど、それは大嫌いな男と結ばれるためではない。心から慕い、愛せる男とめぐり逢いたいと望んだことはあっても、意に染まぬ結婚をして、好きでもない男の妻になるようなつまらない一生を過ごすよりは、このまま不具者と呼ばれて独り身で過ごす方がはるかにマシだと考えて今日まで生きてきたのだ。

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