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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

こちらの味方に付ければ万の味方を得たに等しき頼もしい方にございますが、ひとたび敵に回せば、怖ろしい方。たとえ、主上が血縁状は甥であろうと、尊い御身であろうと、あの方にはそんなことは何でもありません。情け容赦なく踏み潰してしまおうとするでしょう」
 帝がニヤリと口の端を引き上げた。
「それでは、私のこの厄介な性格も実は、伯父上に似たのかもしれませぬな」

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