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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第5章 四の巻

 更に追い打ちをかけるように容赦ない言葉を投げつけられ、公子の眼からとめどなく涙が溢れ続けた。
「―そんな」
 公子はあまりの事に声も出ない。
 脳天を何かでいきなり殴打されたような衝撃に襲われていた。
 顔を強ばらせる公子に気付いたのか、帝はふと笑みを浮かべた。その笑みごと近く顔を寄せ、囁く。

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