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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第6章 伍の巻

 その科白に、公子の頬がうっすらと染まった。
「酷い、私、きっと変な顔をして眠りこけていたのではないですか? 起こして下されば良かったのに」
 寝顔を公之にずっと見られていたのかと思うと、あまりの恥ずかしさに消え入りたい心地になってしまう。
 公子が恨めしげに言うと、公之は声を立てて笑った。

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