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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第6章 伍の巻

 門の下まで運んできた公子を男たちは手荒に地面に投げ出した。
「兄貴、この娘、随分と良いみなりをしてるな。もしかして、貴族の姫さんとかじゃないのか」
「かもしれねえな。それに、見てみろよ。この膚。吸い付くような膚じゃねえか」
 兄貴と呼ばれた方が舌なめずりしている。
 公子の顔を覗き込むと、ニッと笑った。
「怖がることはねえよ、俺たちが手取り足取り教えてやるからさ」

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