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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第2章 壱の巻

 一説には、過ぐる年、帝が手込めも同然に犯した典侍とその良人の恨みだと囁く者もいたが、たとえ無体なことをした帝に罪はあっても、祐子や幼い若宮、姫宮には何の罪もない。御仏は何と酷いお仕打ちをなさるものかと、公子は罰当たりにもそんなことを考えたほどだった。

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