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夜の幕がゆっくりと開く

第1章 夜の幕がゆっくりと開く

「ん゙ああぁっ!?」

突然の引き裂かれるような痛みで現実に戻された俺は口に流れ込んだ液体に困惑した。

「こんな状況で寝るなんて、始末屋はずいぶんと大変やねんな。」

嫌味ったらしく呟いた口が液体を出そうと唾を吐き捨てる俺の口を塞いだ。

そいつの舌の動きはかなり器用で俺に隙を一切与えない。

下では体内になにかがどんどん中に浸入してくる痛みが強くなってきていた。

身体中の筋肉に無駄な力が入る。

その力が再び手首や足首に傷を増やさせた。

口が離されればせっかく口が自由になったのにできることはただ息をするだけだった。

足元を見れば必死に生きようとする俺をバカにするように見下ろす目の奥に強い切なさを感じた。

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