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夜の幕がゆっくりと開く

第1章 夜の幕がゆっくりと開く

目を覚ましたとき、あいつは笑ってた。俺が無事でよかったと。

だけど何となくわかる。こいつは今俺と顔を合わせるのを嫌がっている。

それが表す意味はわかっていた。

だけどなにも言わなかった。いや、言えなかった。

無理してまで笑ってるトッポの顔を崩したくなかったから。

今だってそう。本当は俺と顔を合わせたくないのに無理に笑っている。

そして今もその意味をわかっていて俺は騙されたふりをして睨み付けている。

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