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夜の幕がゆっくりと開く

第1章 夜の幕がゆっくりと開く

「そいつに聞いてもわからんで。」

ひとつの声が部屋のなかを駆け抜ける。

それまであった嫌悪感にふっとヒビが入る声。

その声の先を見るとすらりとシルエットが映る。

「なっ!?暗殺隊!?何をしている!?」

「暗殺隊?そんなん、とっくの前にぐっすり眠ってる。」

俺が渡したサバイバルフォークを光らせて見せれば 長身の身をより高くした暗殺隊が眠る席から飛び降りた。

「くそっ!バカにしやがって。さっさと取っ捕まえろ!!」

合図と共に二人同時に動き出した。

「なっ!?離せっ!?」

「命令やから。命令には逆らわれへんやろ?」

「バカか!?僕じゃなくてやつだ!!」

あっさりとマックの腕に捕まったやつはもはやただわめく子供のようだった。

トッポがやつの服から鍵を探しだし、俺の手足の鎖を外してくれた。そして疲れきって動けない俺をそっと、ふわりと抱き寄せた。

「ずっと…助けたかった…。ごめんな、ジャッキー。」

「ええって。わかってたから。」

腕が動けばすぐにでも抱き締め返したかったがずっと力が入っていた腕はもはやついているだけの飾りと成り果てていた。

「まさか…お前ら仲間を…!?」

「ジャッキーの命を助けるためやから。」

ジョニーのゆっくりとした足音が響く。

「次期にここは潰れる。俺がここの情報を洗いざらい警察に教えたからな。せやから教えたるわ。ここの情報を教えてくれたんは、一人の女性や。……ただその子は…もうこの世にはおらん。」

静かに告げる真実に俺はただ涙すら出ないジョニーを見続けることしか出来なかった。

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