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夜の幕がゆっくりと開く

第1章 夜の幕がゆっくりと開く

部屋へ向かう途中もゲームの画面から目を離さないトッポは今どう思っているのか、正直不安だった。

部屋に着き、俺が適当な椅子に座るとトッポはベットの脇に小さく座り、相変わらずゲームのボタンを押し続けている。

「…なに?」

しばらく黙って様子を見ていると画面から目を離すこともなく小さく呟いた。

「なんで逃げへんねん…。」

「…は?」

ようやく顔を離して俺を見たトッポに飛び付くように押し倒して覆い被さった。

その勢いでゲーム機がベットに放り出される。

その画面はすでに真っ暗だった。

「……なんで俺がこうするってわかっててついてきてん。」

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