夜の幕がゆっくりと開く
第1章 夜の幕がゆっくりと開く
「ジャッキーは、俺が嫉妬するぐらい、愛されててんで。…なのに螺夢さんを疑うなんて…。」
スッと離れた小さな体を見ると、その小さな体が螺夢のように見えた。
やはり俺は螺夢を愛していただけで、トッポを見ることはなかったのか。
だとしたら、俺が出すべき答えは決まっている。
決まっているはずなのにその言葉すらも喉元を通りすぎない。
「…無理に今、答えを出さんでいいから。…いいから。俺は平気やから。」
分かりやすい声の色に俺は小さくため息をついた。
こんな小さな体にはとても入りきらない大きな苦しみを無理矢理押し込んで、部屋を出ていこうとするトッポの背中をそっと、破裂してしまわないように抱き締めた。
「どこが平気やねん。…俺をずっと支えてきてくれたんやったら、俺だって支えやな、不公平やろ。」
今すぐに愛することはできないかもしれない。
だけど、俺はこいつを愛さなきゃいけないように思った。
どうして他のやつじゃなくトッポを選んだのか。
トッポが俺を好きでいてくれたからではなく、俺が好きでいなきゃいけなかったからだとすれば、出ていた答えを伝えれなかったのも、納得がいく。
俺の手に添えられた細く、小さな手の温もりが、今はまだ螺夢を思い起こさせられる。
でもきっといつか、トッポが報われるように、俺はトッポを愛せるように、時間を過ごせたらいい。
スッと離れた小さな体を見ると、その小さな体が螺夢のように見えた。
やはり俺は螺夢を愛していただけで、トッポを見ることはなかったのか。
だとしたら、俺が出すべき答えは決まっている。
決まっているはずなのにその言葉すらも喉元を通りすぎない。
「…無理に今、答えを出さんでいいから。…いいから。俺は平気やから。」
分かりやすい声の色に俺は小さくため息をついた。
こんな小さな体にはとても入りきらない大きな苦しみを無理矢理押し込んで、部屋を出ていこうとするトッポの背中をそっと、破裂してしまわないように抱き締めた。
「どこが平気やねん。…俺をずっと支えてきてくれたんやったら、俺だって支えやな、不公平やろ。」
今すぐに愛することはできないかもしれない。
だけど、俺はこいつを愛さなきゃいけないように思った。
どうして他のやつじゃなくトッポを選んだのか。
トッポが俺を好きでいてくれたからではなく、俺が好きでいなきゃいけなかったからだとすれば、出ていた答えを伝えれなかったのも、納得がいく。
俺の手に添えられた細く、小さな手の温もりが、今はまだ螺夢を思い起こさせられる。
でもきっといつか、トッポが報われるように、俺はトッポを愛せるように、時間を過ごせたらいい。