夜の幕がゆっくりと開く
第1章 夜の幕がゆっくりと開く
「…で、ジャッキーは今、どこにおんねん?」
「わからん。…またや…。またジャッキーに…。」
トッポ、マック、そしてジョニーの三人は潜入したある会社の倉庫部屋にいた。
トッポの震える手が頭を抱えるジョニーの背中をさすっている。
「…マック。どないすんねん…。」
マックは自分の下唇を親指でなぞりながら黙って遠くを見ていた。
「…なんで俺はいつも守られてばっかりで…。」
床に拳を叩きつける音が部屋中に広がる。
「…お前だけやない。俺も、ジャッキーに守ってもらった一人や。お前ばっかりが責めることはない。」
マックの冷静ながらも震えた静かな声がジュリーに染み込んでいった。
「ジャッキーになんかあったら…絶対に…許さへん。」
トッポの手がジョニーのスーツを強く握りしめる。
緊迫した空気が狭い部屋を覆って、息ができないほどだ。
「…待機させてる三人も呼んだ方が…。」
「いや。大勢で行くとより動きにくくなる。あまり戦闘は控えた方がいい。…ジャッキーの命が危ない。」
「んならどうすれば…。」
「…とりあえずどこにおるか知るために監視室に潜入する。この会社には監視カメラが大量に設置されている。それらを一括して監視している部屋があるはずや。俺らでとりあえずそっちへ向かう。ええな。」
マックの言葉にジョニーもトッポもうなずいた。