夜の幕がゆっくりと開く
第1章 夜の幕がゆっくりと開く
乱暴に投げ捨てられた衝撃で意識が遠退いたが、扉が開く音で辛うじて戻ってきた。
「遅いぞ!!何をしていた!!」
「すいません。少し準備に手間取ってしまって…。」
「うるさい!さっさと準備しろ。お陰で野良犬に噛まれたじゃないか。」
「申し訳ありません。ただいま。」
足音からして入ってきたのは二人組のようだ。
「さて。生意気なお前とはおさらばだ。俺に媚びるのを楽しみにしている。あ、ちなみに教えておこう。仲間に助けてもらおうったってそうはいかない。暗殺隊がこの回りを見張っている。つまり、入ってきたとたん、ドカンだ。淫らに揺れながら、死に行く仲間を見送るんだな。」
相手はきれいな高笑いを残して部屋を去った。