Take me
第9章 9
「すいません、お兄さん。
また今度にして頂けませんか?」
「…分かった。じゃあ君の連絡先を教えてくれるかい?」
「連絡先?あ、はい。ちょっと待っていて下さい。」
二人のやり取りを横目に、俺は寝室へと逃げ込んだ。
最悪だ。
扉の閉まる音と共に、足音が近付いて来た。
「紘夢、お兄さん帰ったよ。もう大丈夫だ」
「……瑛士」
寝室から出ると、目の前にある瑛士の胸に飛び込む
「紘夢…大丈夫。」
「…っふ…うぅ…っ」
傷を見られてしまったこと、ショックだった。
この傷をどうやって説明したら良いんだろう
お兄ちゃんに余計な心配掛けたくなかった
なんだか色々な思いが頭を巡って涙が溢れる。