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Take me

第9章 9



「ねぇ、瑛士…?」

「ん?」


涙を落ち着かせるように、あれからずっと瑛士は俺を
後ろから抱きかかえて頭を撫でてくれた。


「ごめんね、今日は楽しい日になるはずだったのに…ごめん。」
「いいよ、誰のせいでもない。謝るのはおかしいだろ?」


ここに逃げて来て、自分の家からも離れてお兄ちゃんのことも少しだけだけれど紛らわすことができた。


夢のように俺にとって嬉しい時間だったのに

まるで現実に戻されたような、



「俺、帰らなきゃ」

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