Take me
第10章 10
「おはよう瑛士」
「はよ…ってお前」
急に瑛士に腕を引かれて走り出す。
連れて来られたのは屋上で、待ってろと言われた。
「紘夢!見えるか?」
「うーん、左はちょっと見づらいかも?」
なんて笑いながら言ってみるけど、瑛士にはバレバレみたいだ。
濡れたハンカチで目を冷やしてくれた。
「ハンカチ持ってるなんて、やっぱり瑛士は女子」
「うるせぇ、黙って寝てろ」
瑛士は屋上の鍵を閉めて、腕枕をしてくれた。
「瑛士、ありがとう」
目が覚めたら、なんで屋上の鍵持ってるのか聞こうっと。