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Take me

第11章 11

「あぁ、起きてたんだね。良かった」
「お兄ちゃん、ありがとう」
「覚えてたんだ」


お兄ちゃんの姿を見て、ここに来るまでの事全部思い出すことが出来た。

できれば記憶から消えてしまえば良かったのに。



「座りたい」

背中を支えて、起き上がるための動作を手伝ってくれた。
それでも痛いものは痛い
苦痛に顔を歪める


「病院、連れて行きたかったんだけど…ごめんね」
「ううん、良いよ」

この怪我じゃ、虐待だとばれてしまうからだろう。
元から病院は苦手だからむしろ良かった



「お兄ちゃん、なんで?」
「ん?あぁ。瑛士くんが教えてくれたんだよ」


瑛士が…

「紘夢の様子が変だ、助けを求めているから今すぐ家に行ってあげて下さいって。」

「瑛士…」


本当にありがとう


助けを求めた相手が瑛士で心から良かった

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