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Take me

第11章 11

「その痣は、父さん達だったんだね?」

「…うん」

もう全てを打ち明けるしかない
今更隠せることなど何も無かった


今までの事を何も包み隠さず話をする。


いつから暴力を受けたのか
だから瑛士の所へ逃げていたこと
どんな暴力を受けたのか
毎日酷い扱いを受けていたこと



次第にお兄ちゃんの眉間にシワが寄っていった


「そんな顔しないで」
「紘夢、もっと早く助けてあげられなくてごめんね」
「ううん、お兄ちゃんが謝ることじゃないじゃん」

「でも、どうして虐待されるようになったのか
心当たりはないの?」

お兄ちゃんはもう、この事を虐待と呼んでいた
やっぱりそれと同等することなんだと知った


「理由は…」

これは言えないよ…
お兄ちゃんを好きだから、なんて言えない。



「ううん、なんでもない。もう今日は寝なさい。」

お兄ちゃん…
体が怠くて、痛くて、早く眠りにつきたい
そんな俺の思いを汲み取ったかのように言う


「うん、おやすみ」

「おやすみ」

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