Take me
第16章 16
すぐ自分の子どもを殴る人の言う事を
信じろなんて言う方が信じられない。
「雪子はね…私に言ったの。
"私が居なくなったら、紘夢をお願い"って。
雪子は…私達の事を知ってて…でも何も言わなかった。ただ、紘夢、貴方の事だけを何より大切にしてて。
それだけを何度もお願いって頼まれたのよ…っ」
そんな…
雪子さん…俺のお母さん…
「ひど、い…
酷いだろ!!!!
それじゃあ雪子さんが…俺のお母さんが可哀想だ!!」
俺はいたたまれなくなって、この家を出た。
「紘夢!!」
お兄ちゃんの呼び止める声
知らない、聞こえないフリ
もう、お兄ちゃんじゃない
他人だ。
こんなの、
あんまりだろ…