Take me
第5章 5
「ただいま」
重くて痛々しい身体を引きずるようにして、やっと家に帰って来た。
もう遅い時間だし暗いおかげであまり目立たずに済んだけれど、真横を通り過ぎる人からはやはり視線が向けられて恥ずかしい思いをした…
「…なによその怪我」
なにその顏
心配でもしてくれてるの?
「いや、なんでもないよ」
「貴方、勉強もしないでそんなことばっかりしてるの?
喧嘩だなんて…学校にバレたらどうするのよ!何をしてるの、お母さん恥ずかしいわよ!」
はっ
乾いた笑いが漏れる。
そうだよ、この人が俺の心配なんてするはずないじゃない
「近所の人に見られなかったでしょうね?!千晃の印象まで下がったりしたらどうしてくれるの!」
「大丈夫、見られてないから」
バタンッ
布団に倒れこむと、そのまま睡魔が襲ってきた。