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息もできない

第14章 喜んで欲しいんです

ー春陽目線ー


誕生日なのに仕事か
なんて憂鬱に考えたことはない

俺は自分の仕事が気に入っているし
誕生日なんて特に特別な日だという感覚もないから


でも今日
最近少しずつ心を開き始めていた少しネガティブな美人の恋人が祝ってくれることになって俺は正直少し浮かれていた


だから常連の女性客にも


「マスター今日ご機嫌だね〜」


と言われるほどだった

「わかる?」


当たり前だろ
見た目だけじゃなくて中身まであんな可愛い恋人に祝ってもらえるんだから、ご機嫌にもなる


それに誕生日プレゼント、と一足早く渡されたネックレスが首元で揺れるたびに心が暖かくなる



仕事が早く終わればいいなんて
直が関わると毎回そう思うな


俺は新鮮な気持ちと少しくすぐったい気持ちとがない交ぜになった半端だけど、幸せな気持ちで一日仕事をしていた



「ありがとうございました」


ランチが一段落してお茶をしに来てゆっくりしていただけの客も帰りようやく客全員が一旦いなくなった

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