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息もできない

第14章 喜んで欲しいんです

「…いらっしゃい」

あからさまに不機嫌そうな俺を見て朗は苦笑した


「なんだ、それ?なんでそんなに不機嫌なんだお前」


相変わらず口悪いな


朗は基本的に気のしれた奴が相手だと口調まで砕ける


「ここ座るぞ?」
「…あぁ」


俺がイライラしているのを知っているのか知らないのか、朗は飄々としている

朗は椅子に座ってぐぐーっと伸びをした


「っあーーー…なんかここ最近気ばっかり使っててさ、疲れちゃうよな」
「そうか」


朗も大変だな


それから俺は注文されたコーヒーとそれに合う食べ物を作りながら朗の最近の仕事の愚痴を聞いた

しばらくして満足したのか
俺が淹れたコーヒーをぐっと煽った


そして

「そーいやさー……」
「ぅん?」

と言って切り出された朗の言葉に俺は驚いた



「あの、谷口さん?だっけ。あの人可愛いよなーお前の知り合いなんだろ?」

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