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息もできない

第14章 喜んで欲しいんです

俺は店を閉めた後直にメールを打ってから朗と飲みに行った


二人で入ったのは有名な焼き鳥屋だった


「誕生日に奢るってここかよ」
「あ?なんか不満そうだな?」
「いや…別にいいけどさ」


店は新しくはないが綺麗に清掃されていた
俺たちは注文を取りに来た店員に生ビールとおまかせで焼き鳥を頼んだ


生ビールはすぐに来て


「乾杯」

と二人でビールを煽った
二人してぷはーっと息をつきながらジョッキをテーブルに勢い良く置いた


「そーいやハル、お前と谷口さんはどういう関係なわけ?」


突然聞かれた質問にたじろぐ


「客と店員」

辛うじて淡々と答えた
朗はその答えをなんと受け取ったのか「ふーん」と相槌を打ったまま何も話さなくなった


暫らくすると


「嘘だな」


と朗が唐突に言った


「は?何が?」

と聞き返すと

「お前と谷口さんの関係は客と店員じゃない。お前は俺に嘘をついた」


と言われた



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