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息もできない

第14章 喜んで欲しいんです

確信をつかれて俺は動揺を隠せなくなる


「な、んでそんなこと…」


朗は俺に向き直ってテーブルに置いていた俺の手を叩きつけるように思いっきり拳で殴った


バァン!!


と大きな音がして店中がしんと静まり返る中、痛みに悶える俺に朗は静かに言った


「んなのお前らの挙動を見てりゃわかんだよ。そんなことより!」

朗は声を荒げた


「お前はなんで今日俺についてきた?」

「なんでって、朗が誘ったんだろ」

「は?恋人がいるのに友達についてきたって?」


恋人だってことまで察していたらしい朗はさらに俺に詰め寄った


「誕生日なのに?それともなにか、谷口さんはお前の誕生日も祝ってくれないクズってことか」


直のことを馬鹿にされてついカッとなる


「んなわけねぇだろ!!!」


直はちゃんと祝ってくれたんだよ!


「だいたい朗は俺と直が付き合ってるって知ってたのに誘ったのかよ?」
「あぁ」
「それこそ意味わかんねぇ」

朗は深く溜息をついて酒を再度煽った

「…試したんだ」
「試した?」

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