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息もできない

第14章 喜んで欲しいんです

「お前とは………いろいろあったろ」


濁した言葉に俺たちだけにしかわからない響きがあって、俺は俯いた


「……あぁ」


俺のことが心配で
だから、こんなことしたって?

あぁ、畜生
久しぶりにあった幼馴染のせいで




涙が出そうだ



物思いにふけっていると
視界の隅に人影


そっちの方に視線を動かすと、そこには直の同僚であり直を強姦した中野圭太がいた


「あ…」


と俺が声を漏らすと
朗は中野の方を見て中野も俺たちの方を見た


するとすぐさま中野はその場を去ろうとしたが、朗が中野と俺は知り合いだとわかったのか席をさっと立って中野の肩をがっと組んで戻ってきた


「なんだよ…っ、なにすんだよ…」
「おい、こいつハルの知り合いなんだろ?挨拶ぐらいしなくていいのか?」


別に知り合いじゃない
そもそも物思いにぐらいふけらせてくれよ

今中野のことを考えていられるほど俺の精神に余裕はなくてって言うのは建前で中野の立場が悪くなればいいと思って


「直を強姦したやつだ」


と正直に言った

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