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息もできない

第16章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー)

そして
驚くほど不気味にいやらしく笑った


おい、まさか
まだ俺に何かするつもりじゃないよな………?


さっきまで仕返ししてやる、と思っていた勢いはその微笑みに一瞬で消されてしまう


にこにこ話を聞いているフリをしながらだんだんとこちらへ歩み寄ってくる朗に内心酷く動揺する


なんだ?
俺の相手を取ろうってか?
やめろ…っ
こんなところでそんなことされたらもうここに来れねぇよ…!!


ならばさっさと立ち去ってしまおう、と


「ねぇ、これから暇?」

とホテルへ行こうと遠回りに誘う


「は、はいっ…」

顔を真っ赤にさせた本来なら可愛いと思うような顔をされても俺は何も感じずとりあえずここを離れなきゃ!と焦っていた


「じゃあ行こうか」


俺がその子の肩を抱いてエスコートしながら歩いて朗の横を通り過ぎる、その時


「なぁ」


朗に声をかけられた

ふざけんな!
この子は今日俺と遊ぶんだよ!!!

俺は無視してその場を去ろうとしたが後ろから腕を掴まれたからそれは果たせなかった
しかも腕を掴まれたのは


俺ーーーー!?


「お前、いい顔してんね。今夜俺とどう?」
「なーーっ、ふざけ……!!」

思い切り罵声を浴びせてやろうと思って開けた口は朗のそれに塞がれていた

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